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心を開くと体も開く。 開脚倒立ワークショップで感じたこと。

先日のWSにご参加いただいた皆様ありがとうございました!

わたしなりにアウトプットをまとめました。


対比を明確にして気づく。


ヨガの練習において「柔軟性があることは真実の『良さ』」なのでしょうか?


頑張れば肩があがり呼吸は浅くなる。浅い呼吸は体幹を不安定にします。その状態で柔軟性だけを追い求めたストレッチをすれば怪我のリスクは高まります。

ヨガに魅力を感じ日常が変わり始めた誠実な実践者の皆さんならきっと感じているはずです。

プラクティスの中で「柔軟性が足りない」「筋力が足りない」と焦燥感に駆られた経験を。

今回のワークショップで大切なのは、柔軟性があることこそが「良い」という私たち自身が作り上げてしまった思考の癖に気づくことの重要性でした。


今回のワークショップでは参加者それぞれが持つ「長所」を共有する時間がありました。自分の短所には比較的気づきやすいものですが、いざ長所となると言葉を濁してしまう場面も見られました。

でも考えてみれば当然のことかもしれません。

長所と短所はコインの裏表のようなもの。

そして私たちが普段何気なく行っていること。

例えばよく食べよく眠るということは、本人にとっては当たり前の日常であり、特別な「長所」だとはなかなか気づきにくいものなのです。

ワークショップで大切にしたのは、まさにこの「当たり前だと思っている才能」に気づくこと。それがすべての始まりだからです。

例えば「自分は筋力がない」と感じている人は「筋力があることは良いことだ」という価値観を持っているわけですよね。

これは心が体の状態を映し出す鏡であることの証拠です。その思い込みに気づかないままだと、「〇〇すればできるようになる」といった受け身の姿勢になります。まるでノウハウという名の鎖に繋がれ、常に「足りないもの」を追い求めるループから抜け出せなくなってしまうのです。


脳と体のマッピングを統合させる。


そうした自分自身の価値観や思い込みに気づいていただいた上で、ワークショップでは股関節の構造を資料を見ながら丁寧に解説しました。

実際に骨格標本を目の前にして一つ一つの骨の形や動きを理解していくとこれまで曖昧だった体の感覚と脳のイメージがしっかりと結びつき、より意図的に体をコントロールできるようになります。

頭で構造を理解できたらあとは実践あるのみです。これまで無意識に積み重ねてきた体の使い方、その中で生まれていた小さなズレを、一つひとつ丁寧に修正し全身の繋がりを感じながら練習を重ねていく。

そうすることで無理に力を入れなくても結果として縦開脚も横開脚も、そして倒立も、まるで自然な流れのようにできるようになっていくのです。


相反したものを統合する。


柔軟性を高める上で筋肉には縮む性質と伸びる性質の両方があることが重要です。

ワークショップではペアワークで体の背面を意識的に収縮させることで、驚くほど前屈が深まり床に手が届きやすくなるという体験を皆さんと共有しました。

これはただ筋肉を伸ばすだけでは、まるで劣化して硬くなったゴムを無理やり引っ張るようなものだからです。ヨガの陰と陽の考え方、つまり相反する性質を統合するという視点を持てば伸ばすだけでなく、意識的に縮むという動作がいかに大切かが理解できます。

縮む力を引き出すことで、伸びる力もまた自然と高まる。この体験を通して参加者の皆さんはヨガの奥深さを改めて感じていただけたのではないでしょうか。


集中する視線の大切さ。


集中において視線は非常に重要な役割を果たします。

しかし一点を強く凝視するのではなく目の前の状況や自分の内側の感覚を、ただありのままに「観る」観察するという意識を持つことが大切です。

この観察を通して私たちは無意識に抱えている相反する価値観やポーズに対する「こうあるべき」という固定観念を手放していくことができます。

「やってやろう」「何かを得たい」「何者かになろう」という外向きの意図や自我の意識が強すぎると、かえってポーズは不安定になります。

反対に、意識を内側へと向け自分の内面を静かに観察することができれば、無理に頑張ろうとしなくても自然とポーズは安定していくでしょう。

そのためには、瞑想を通して内面を深く見つめる習慣を日常に取り入れることが不可欠です。アーサナの実践と瞑想による内観をバランス良く日々の生活に取り入れていくことこそが、ヨガの真髄へと繋がる道なのです。


まとめ


今回の開脚倒立ワークショップでは、硬くなった筋肉をただ伸ばすのではなく意識的に縮めることで、体の可動域を広げました。体の変化は心の解放にも繋がり「できない」という思い込みから自由になる第一歩でした。この解放感を、日々のプラクティスでも味わってみてください。コツは頑張らないことです。





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